みんなそれぞれMy Story【3】「フィーリングが合うかどうか」

 

こんにちは。黒田です。

 

 

本日は。

 

 

お久しぶりとなります、

今年始まったペコラ銀座の新企画。

 

 

「みんなそれぞれ My Story」

第三弾でございます。

 

では、さっそく

参りましょう〜♪

 

 

・・・

 

 

お洋服も人生も十人十色
~みんなそれぞれMy Story

 

人は皆それぞれの生き方があり、

十人いれば十通りの、美しい色を持つ。

 

私たちの日常は、

十人十色の想いが、

地球上のあちらこちらで重なり合って出来ている。

 

十人十色こそが美しく、

それはそれは尊く、

この世の何にもかえがたい、

宇宙の宝物。

 

十人十色いらっしゃるお客様に、

十人十色、それぞれお洋服をお仕立てすること。

それが、私たちペコラ銀座の日々です。

 

そんなペコラ銀座の日常の一風景を、

一人のお客様を通してご紹介いたします

本企画。

 

今回ご協力くださったのは、Tさん(50代男性、公務員)

2018年にPRIMAPROVA(現在このラインは承っておりません)のキャンペーン時に 初めてご来店頂きました、Tさん。

彼のMy Storyとは

 

・・・

 

「フィーリングが合うかどうか」

 

長身で自然体、落ち着き払った静けさの中に感じる哲学的な雰囲気。

そんなTさんはインタビュー当日さらりと白黒を着こなし、いつものように気品溢れる奥様とご一緒の来店でした。

自ら考え抜いて言葉にした想いを、細かくスムーズに語るTさん。その仕草と眼差しからはものごとの真理を見抜くかのような力を感じる。

会話の中で常に思考をめぐらせている様子のTさんは、会話においてふと納得した瞬間には「通じ合った」事に対しハッキリと反応を示す。

奥様は隣で時折頷く、笑顔を浮かべながら。そうして、素敵な間合いをもって、会話に言葉を添える。

仲睦まじいご夫妻はベネチアのカーニバルが大好きだといい、これまで2度参加した事があるそうだ。

Tさんは趣味である写真を撮り、奥様は仮装をし、ご夫婦で中世の雰囲気漂うカーニバル文化を楽しむ。

色彩豊かなカーニバルの世界も、白黒写真で撮る事を好むTさんは「色を取り払った白黒世界の静けさの中には本質を感じる」と言う。

 

そんな、ものごとの本質を追求するTさんの感性は、

彼の語る言葉の端々から感じられる。

 

インタビューでは落ち着いた口調でお洋服への想い、

ご自身の考えを語ってくださいました。

 

・・・

2年前に初めてご来店頂きましたが、ペコラ銀座を知ったきっかけを教えてください。

お店を知ったのは、ウェブサイトの検索です。それまでは、正直知りませんでした。

その時は今の綺麗なページになる前の、昔のページを見たんです。すごくシンプルで、なんだろう、カッコ良かったんです。それで、気になるお店の一つになりました。

そもそも調べ初めたのは、ちょうど50歳になるか、なったかという時期ですが、実はスーツをちゃんと仕立てた事が無かったんです。でも「本物のスーツって誂えるものだ」という意識はずっとどこかにあって、憧れでした。例えば、英国の老舗テーラーで誂えたスーツとかどんな感じなんだろう?って。

50歳という年齢が見えてきて、実際にその年になって。そうしたら残りの時間も見えてくるじゃないですか、スーツを着られる時間も。その時に、「いつか誂えたいと思っていたスーツを、それを今回誂えよう」と決めたんです。

どうせなら銀座で、と思いました。

そこで、「銀座」「スーツ」「仕立て」とか、検索をかけた中でペコラ銀座が出てきた。

ただ、あまりお店の雰囲気とか分からない状況だったので、他のお店も含めてですけど、敷居が高いなと、そう思っていました。

それから、怖さもありました。

やっぱりオーダーで仕立てるなら30万くらいになるじゃないですか。覚悟は決めてるはずなんですけど、いきなり30万でチャレンジするのは怖い部分があるんです。

 

その怖さというのは「フィーリングが合うかどうか」。

 

出来上がってくるもの自体はどこのお店でも確かなものが出来上がってくると思うんですけど、「それが、自分のフィーリングに合うかどうか」というのはまた違う話なんですよね。

銀座にもたくさんお店あるじゃないですか。

そのどこかに入ってお願いした時に、洋服の細かいニュアンスの違いや、そのお店のハウススタイルがあるのか、こちらの要望に応えてくれるのか、とかは分からないじゃないですか。

その上、デザインというか雰囲気というか、自分の好みに合うかどうかなんて、実際には全くわからないですよね。

その意味で、お店を選ぶのは結構悩みました。

オーダーで作ろうとは決めていたんですけど、悩みましたね。

 

 
悩まれた中で、ペコラ銀座を選んで頂いた理由を教えてください。

大きなお店で、例えばスタッフさんも職人さんも多いところだと、きっと実際に手を動かすキーパーソンの人には直接会えないんだろうなと、思いました。

お店で測ってくれて対応してくれる人と、実際の職人さんは別のところにいるんだろうなと。私の勝手な思い込みかもしれないけど、そんな不安はありました。

で、それだと、結果的に行き違いが出てくるのは嫌だなと思ったんです。

だから「割と小さいところ」というか、職人さん、そういう人と直接話ができるところが良いなと思っていて。

それも一つの要因だったのかな、ペコラさんにしたのは。

あとは、最初にも話しましたが、昔のホームページは、情報が少なかったけど「他のお店とは違うな」と感じていました。

なんだろう、日本の昔からのスーツとは違った、ヨーロッパ・ミラノというその辺の独自のセンスと腕で勝負されてるのかな、という雰囲気は気になってたんです。

 

最終的な後押しとなったのは、当時の、PRIMAPROVAのページを見て、そこにのってたプライスが比較的「これなら届くかな」というものだったんです。それで行ってみようと決めました。

 

 
お洋服に対する想い、初めて「誂える」に至るまでの経緯などお聞かせください。

割と小さい頃から、好きなミュージシャンとか、アーチストとかが着ているスーツを見て「あの服かっこいいな、あの形かっこいいな」とか思ってました。

それから中学から高校くらいの時に、日本でデザイナーズ・ファッションが流行った時期があって、そういう意味では世代的にデザイナー的な洋服には触れる機会もあって、ああゆうの格好いいなとは思ってました。

黒一色でパリコレにチャレンジしたデザイナーさん達とか、凄いなと思ってました。今でも凄いなと思いますけど。

スーツとは少し違う世界ですが。なんだろう、決まった型ではなくて、布一枚で身体にこう、うまく線が合うと、綺麗に見えるんだなって。

素人考えですけど、スーツって完全に三次元の立体を作る世界じゃないですか、それって多分ヨーロッパ的なのかなと。その人にぴったり合うっていうのも、ヨーロッパ的な感じがするんですよ。

それに対して日本って、例えば、着物だと平面の布一枚からその人の身体を包んでいくわけじゃないですか。風呂敷なんかもそうですけど。それって日本独特だと思います。それでまたほぐすと平面に戻っちゃう。

スーツの考え方は、それとは全く違っていて、その人にぴったり合うのは、縫製技術とか、アイロンワークとかで、完全に作り込んでますよね。それってなんか文化の違いだと思うんです。

先ほどのデザイナーさん達がやった、もともとカラフルな世界に対して黒一色で、きっちりしたものじゃなくて、布一枚で被せたようなもので、それでもこういう風に綺麗に見えるんだって。それは、和服のイメージとか、そういうベースが日本人にはあるのかなって思って。それが世界に通用するのを見て、凄いな、面白いなと思いました。

中学から高校くらいは、そういうものを目にしていたので、洋服に興味はありましたね。

 

スーツという意味では社会人。

社会人になって初めて買ったスーツでの経験は、既製のものを試着をして、例えば私は腕が長いので「じゃあ袖を1cm2cm出しましょうか」と、そこから始まるんですよね。JISの標準体型があって、多少はメーカーさんによってデザインは違うんでしょうけど、基本の形があって。その基本をもとに「じゃあここは出します」とか言われる。言われたまま、そこが合えば良いのかな、そういうものなのかなって思っていました。社会人になりたての頃はそのくらいしか買えないというものあって。

今50代前半なので、当時は30年くらい前。その時でもやっぱり既製スーツが主流でした。「誂える」なんて、それこそ政治家か会社の重役かと言う、そんな感じだったように思います。

ただ、「本当のスーツは誂えるもの」っていうのは、ずっと思ってはいたんですよね。「誂える」という言葉を、どこで覚えたのかは分からないんですけど、そういうイメージがずっとありました。ただ、高嶺の花というか、子どもが行くところではないと感じてました。

 

30代で転職して、スーツを着る機会が増えました。その時の先輩に「安く出来るから作ろうよ」と誘われて、初めてイージーオーダーというものを経験しました。

そこで初めて、自分のサイズを測ってもらって最初から作ってもらう事を経験しました。フルオーダーとは違うのは分かってるんですけど、既製で「ここを2cm出す」というのとも違うじゃないですか。その時は、まあそれなりに合うので「合ってるのかな」と思っていましたね。今から考えると「合ってなかったんだな」と思いますが。

 

イージーオーダーを経験すると、今度はお店の人に色々と聞くようになりました。イージーオーダーの「仕組み」みたいなのを色々聞きたくなるじゃないですか。

自分で色々考えてお店の方に質問してましたね。

例えば、「基本となる形があって、それが三角形だとすると、丈を3cm長くする場合は、この三角形をビューっと伸ばして、全体を3cm長くする。その時、中間のボタン位置は1.5cm位置が変わるというイメージですか?」とか。

イージーオーダーを色々試す中で、採寸の質問や仕上がり寸法の決まる仕組みなどについて沢山、質問しました。

でも、「なるほど」と納得することは、あまり無かったですね。

担当する人によっても、仕上がりが違うことも知りました。「昔、仕立てやってたんですよ」と言う方だと、同じイージーオーダーでも少し出来上がりが違うんですよね。

イージーオーダーは随分試したんですけど、結局は満足しきれなかったです。

採寸する人が服の仕立ての仕組みを’理解’している事、服を仕立てる人が着る人の体型や動きを’理解’してそれに対応する技術を持っていることが必要なんだという結論になりました。原型があって、それを引き延ばしたり調整していく仕組みは、特に私のように標準体型からの差が大きい場合、限界があると思いました。

それで結果的にちゃんと「オーダーで誂える」しかないのかなと思って、チャレンジしてみることにしました。

 
 
ペコラ銀座での初めてのオーダーでの体験についてお聞かせください。

ペコラさんでの一着目は、紺無地のスリーピースと決めていました。

スーツは柄物も色々経験した中で、やっぱり紺無地が一番格好いいなと今思っていまして、その時のリクエストはそれだけだったと思います。

 

それで、

最初に出してもらった生地に一目惚れだったんです。

だよね、あれ。(奥さんをチラッと見るTさん)

 

ちょっと青みがかった光沢のある、SCABALのビンテージだったのかな?

その生地を一番初めに見て、その後他の生地も見せてもらったんですけど、最初に見たその生地が圧倒的に良くて、「生地はもうこれしかない」と思いました。

 

それで値段を聞いて。

最初30万くらいと言われたかな、確かそれくらいだった。

 

、、、正直予算オーバーだったんですよ。

 

最初の予算では、20万ちょっとくらいでもしかしたら出来るんじゃないかなと思ってたんです。

 

それで相当悩んだよね、一緒に(奥さんの方を見るTさん)

奥様:「そう。一回外出て、お茶してから考えようって言ってね。一度お店を2人で出ました、笑。一時間ちょっとくらいかな、外に出て、お茶飲みながら、カフェで話したね。 」

 

多分、その時、腹の中では決まっていたと思うんですけど。やっぱり最初、20ちょっとでと思っていたから、30って大きな数字じゃないですか。

それで、悩んだ。

悩んだんだよね。

 

奥様:「うん。でも、すごく欲しい。って。欲しいなって。ね」

 

もう少し安く出来るところを探しても、どうかな、と、色々考えました。

お店を変えるというのも、なんか嫌だと思って。

 

それで、決めました。

その日初めて佐藤さんとも色々お話をさせてもらって、「やっぱり、この人にお任せしてみよう」って思いました。

その時、失敗というかうまくいかないことは、不思議とイメージしませんでした。

 

ただ30万ってやっぱり大きいなって。

 

オーダーの難しいのは、「こんなイメージで出来上がりますよ」っていうのは見えないじゃないですか。

そこは、どんな形になるのか、分からなかったんだけど、

もうここは「この人にお任せするんだ」という感じですね。

 

 
佐藤英明なら大丈夫と思ってくださった?

そうですね。はい。

 

奥様:「そう。なんかすごく、信頼できると感じて。なんか、こう、本当に洋服が好きなんだろうなって。ね。」

 

そう。

「こうです」「ああです」と、必要以上に説明されないじゃないですか。だけど、聞くと、ちゃんと的確にそれに答えてくれる。

膨大な経験と知識があるのに、それをひけらかす訳でもなく、こちらから聞いたり要望したことに対しては、的確な説明付きで、いくつかの選択肢を示してくださる。

なんというか、本当の「プロ」なんだなと思いました。

それで、もう、お任せしよう!そう思いました。

 

 
ペコラ銀座でのオーダーのプロセスの中で感じたこと、印象に残っている事などありますか?

初めてのオーダーの時は、採寸があっと言う間に終わって「えっ、これで終わり?」と思いました。

 

それから仮縫いが初めての経験だったので、楽しみでした。

奥様:「うん。楽しかった~。」

 

仮縫いは、パンツを最初に履いたんですが、腰回りの感じが今まで経験したことのない感じでした。

凄いなと思いました。

自分の身体に吸い付いてくるような、当たるところが、「面で当たっている」ようなイメージです。ピタッとハマるんだと言う感じで、パンツはパンツで凄いなって。

 

それで、次に上着を羽織るじゃないですか。

あれを羽織った時はもう、感動ですね。

 

何故かと言うと、胸から肩周りがピタッと吸い付く感じと言うか、あの感覚は味わった事がなかったです。

胸から肩周りのフィット感、あれは感動ですね。特別な体験。

本当に凄いと思いました。

 

ここ(胸)から上がピタッとはまって、三次元で、ピタッと吸い付くと言いますか。だから、割と重い生地だったと思うんですけど、着ると全然重く感じなかったんです。

 

ジャケットはもう、羽織った瞬間に、わあ凄いって。

 

奥様:「うん。感動してた。」

 

奥様の目から見ても?

奥様:「もう感動してました。あんまり、こう、表に出すタイプでは無いんですけど、おおって言う感じでした。」

 
 
仮縫いの感動の後、出来上がりの納品時はいかがでしたか?

「ああやっぱり、この感覚、この感覚」という感じです。

ラインも綺麗だし、やっぱりなんだろう、綺麗ですよね。どこにも無駄がない。

こう鏡で見た時に、脇の部分とかダブつくところもないし、肩もぴったりしてるのに動いても引っかからない。パンツも含めて全部がぴったりでした。

 

「これがオーダーなんだ」と思いました。

 

二着目はスタンダードラインでジャケットをお願いしました。

それは、一着目作っていただいたスーツが、もったいなくてなかなか着れず、本末転倒なんですけど 笑。 プラベートでも普段使いできるジャケットを作りたいと思いました。

印象に残ってるのは、「今回は着丈ちょっと短い方が良いですよね」って、佐藤さんからさり気なく言ってくれた事です。スーツよりも着丈を短くした方が良いかなとは思っていたんですが、言い忘れていたんです。こちらは何も言っていないのに仰ってくれて、プロだなと思いました。

一着目を着た時より、少しゆとりがあるように感じました。ジャケットだからかな? その分リラックスして着られる感じです。スタンダードラインは仮縫い無しでしたが、凄く良くできていると思いました。(Tさんにご注文頂いた当時のスタンダードラインは仮縫いがありませんでした。※現在のスタンダードラインは仮縫い1回付きです※)

 

いつかは、フルハンドでお願いしたいと思いますね。

「この上があるんだ」って思うと、それはやっぱり試してみたいなと思います。

ちょっとまだ届かないなとも思いつつ、そう言っているうちに時間は経って行って、着られる時間も少なくなってくるから。それこそ、10年とか普通にもつものを作っていただくので、何かきっかけがあればお願いしたいですね。 

 

 
その後、ペコラ銀座の洋服を着ていてどうですか?

ペコラさんで作ってもらったものを着る時は、良い意味での緊張感とか高揚感がありますよね。気が引き締まって、ちゃんとしないといけないなって。姿勢とか気になります。

それから、何かひとつがよくなると、他もだんだん気になり出すんですよね。

すべてに手が回ってるわけではないんですが、今一番の課題はシャツです。

シャツは難しいですね。

着るたびにクリーニングも少し辛いですし、やっぱりノーアイロンで洗えるのって凄く楽なんですよ。それに慣れちゃうと、中々、良い生地でちゃんとっていうのは。

そうすると、やっぱり便利さと天秤にかけると、既製である程度合ってるもので済ましちゃおうかと思う事が多くなります。

 

あとは、ネクタイもそうですね。

私ネクタイの結び方は、確か小学校の時に父親に教えてもらったんですが、実は50過ぎてネクタイの結び方を本気で勉強しました。

 

奥様:「それは違ったの?今までのと」

 

んん。違うというか、何が正解かは分からないんだけど。結びの大きさとかバランスとか、ちゃんとしないとスーツに負けちゃうんですよね。

 

奥様:(頷きながら)「ふ~ん。広がるね~。」

 

あまりネクタイしないんですけど、するときにはネクタイそのものも選びますし、やっぱりスーツに負けないように。

 

奥様:(笑顔で)「なんか一生懸命しめてるよね」笑

 

 
これからペコラ銀座に来ようと思う方へのアドバイスをお願いします。

とにかく、佐藤さんに相談してみることかな。直接相談して、いろいろと話をすることで、自然に方向性は見えてくると思うから。

レディースにも対応可能と仰っていたので、興味のある女性の方も。佐藤さんをはじめ、スタッフの皆さんはフレンドリーだし、素敵な時間と空間ですよね。

特別な体験もできるし。

 

・・・

 

今回のMy Story初となるご夫婦揃ってのインタビューは、互いに言葉を交わし合う談話のような空気感ですすみ、スーツ以外にも沢山の興味深いお話を聞かせて頂きました。

 

そんな楽しい会話から垣間見えた

Tさんと奥様の素敵なお人柄を

ここよりショートインタビュー形式でお届けいたします♪

 

いつもカメラを持ち歩いてるとお聞きしました。

奥様:「そう写真。写真、撮るの。好きですね。」

そうですね、カメラは30代になってからです。それまでは趣味らしい趣味がなかったんですが、趣味はなんですか?ってよく聞かれるじゃないですか。「じゃあ、写真にしよう」と決めて、カメラを買いました。

奥様:「凄い、こだわりがあるんです。カメラとか、レンズとか。」

 

カメラで撮る対象は何ですか?

人を撮りたいんですけどね。

奥様:「けど中々、知らない人は撮れないんだけどね。そう、でも、ベネチアのカーニバルが大好きで。」

 

ベネチアのカーニバル?

奥様:「イタリアのベネチアの、仮面とか、仮装するカーニバルがあるんですけど、そこでは堂々と人を撮れるという。」

 

そうですね。 ベネチアのカーニバルは、いつからかは覚えてないんですけど、いつか行ってみたいなと思っていて。憧れだったんです。

 

奥様:「凄く楽しいですよ。私は写真撮るのは途中で飽きちゃうから、どちらかと言うと仮装しちゃうの。誰でも参加できるから。もちろんコンテストとか、そういう催しもあるんですけど、基本は皆好きな格好をして、街を歩いてる。中世の格好とかする人もいっぱいいて、ここはいつの時代?中世?っていう感じ。」

 

仮面舞踏会とか、ああゆう流れがあるのかと思うんですけど。ベネチアのカーニバルって、仮面をして、その期間だけは、階級や性別など関係なく「みんなで楽しむ」みたいな感じなんです。仮面とか、衣装とか、作って。

 

奥様:「そうそう。本気で参加してる人たちは、もうそれこそ一年がかりで衣装とか作ったりしてるから、写真はもう‘撮って撮って’という感じで撮らせてくれるんですよ。」

 

(ここで少しTさんの撮ったカーニバルの写真を見せていただきました。)

 

写真、白黒が多いんですね、白黒で撮るのが好きなんですか?

あ、白黒好きですね。

 

奥様:「色が雑音だってね」

 

そんな感じしません?同じ写真でも、色がついてるのと比べると、白黒の方が静かに見えませんか?

それと、想像力を掻き立てるじゃないですか。

 

色がついてると答えが見えてるようだし、色って音のような気がして。

好みにもよるけど、あまりカラフルだと、ちょっとうるさいなって。

色がついてるものから、パッと色を取ると、静かになるような。色って、音なのかな、と。

どっちが良いってものではないんですけど。

 

何においても、すごく本質を探ろうとするのですね。

奥様:「そうなんです。お洋服のことだけじゃなく、なんでもそうなの。そうゆうところはあります。」

 

なんか、感覚的に感じるものを、考えて、説明したくなるんですよね。

説明できないんですけど。

 

あ。そうだ。

ちょっと前に、テレビで禅の番組をやっていて、そこで僧侶が「なんでも、言葉にした時点で、その人の背景だったり、教育だったり、宗教観だったり、必ず入っちゃう」という話をしていて。

言葉にした時点でそういうものが必ずついて回るから、そうじゃなくて、もっと身体で感じるものを、みたいな話をしている時に「ああそうだな」と思ったんですよね。

なんでも説明すれば良いってもんじゃないなって、思った。笑

 

奥様:「でも、言葉にするのも大事よね。言葉にすると、考えがまとまるし。」

 

うん。ちゃんと、言葉に出来るということは、そのことについて、一定の理解をしてることになるのかもしれないけど。

すごく難しいことを簡単に説明する人って、それをきちんと理解しているから説明できるのであって。

だから言葉で説明するのもすごく大事だとは思うけど、色々感じていることって、説明しきれないと思います。

 

奥様:「本当に感じてるものと比べたら、言葉の数の方が断然少ない。全部を伝えるのは難しいなって、思うよね。」

 

・・・

 

スーツのお話から、洋服への想い、カーニバル、写真、白黒の世界、僧侶の言葉と。Tさんと奥様のお話を伺う時間はたくさんの発見、考えさせられる事に溢れていました。

 

特に「言葉にする」と言うことにおいては、ペコラ銀座のブログを綴る立場としてはとても身に染みるものがありました。どんなに言葉にしても、ペコラ銀座の洋服の着心地、美しさ、本当の良さはと言うのは実際に「体感して頂くほかにない」と言うところがあるものです。

それでも、ペコラ銀座の洋服づくり、テーラー佐藤英明の想いを綴り、皆さまにお届けする事によって、洋服を仕立てる文化をより多くの方に身近に感じて頂き、この美しい文化を愛で続けていけたらと思っております。

 

この度は、Tさん、奥様、お二人の貴重なお時間をいただき、

ご協力いただきましたことに深く深く感謝いたします。

 

素敵なお二人の今後のご活躍を心より応援しております。

本当にありがとうござました。

 

今後もお客様の素敵なMy Storyをご紹介して参りたいと思います。

どうぞ宜しくお願いいたします。

みんなそれぞれ My Story【2】「更なる世界を」

こんにちは。黒田です。

懸賞抽選を無事に終え、

ペコラ銀座店主に束の間の安堵の表情が見られる今日この頃です。

 

この度の懸賞を行えましたのは、

まさに、皆様お一人お一人のおかげであります。

ご応募頂きました皆様へ心より御礼申し上げます。

 

・・・

さて本日のBlogは、先日はじまったばかりのペコラ銀座新企画「みんなそれぞれ My Story」第二弾と致したいと思います。

それでは、参りましょう〜

 

お洋服も人生も十人十色
〜みんなそれぞれMy Story〜

 

人は皆それぞれの生き方があり、

十人いれば十通りの、美しい色を持つ。

私たちの日常は、

十人十色の想いが、

地球上のあちらこちらで重なり合って出来ている。

十人十色こそが美しく、

それはそれは尊く、

この世の何にもかえがたい、

宇宙の宝物。

十人十色いらっしゃるお客様に、

十人十色、それぞれお洋服をお仕立てすること。

それが、私たちペコラ銀座の日々です。

そんなペコラ銀座の日常の一風景を、

一人のお客様を通してご紹介いたします

本企画。

 

今回ご協力くださったのは、Hさん(50代男性、エネルギー関係会社員)

2018年秋にグレーのグレンチェックで3ピース を。2019年夏にはネイビー無地の3ピース を。2年連続でSTANDARDLINEにてお仕立てくださいましたHさん。そんな彼のお洋服にまつわるMy Storyとは♪

・・・

 

「更なる世界を」

軸の定まった目の奥の強烈な輝きと、凛とした佇まいが素敵なHさん。多くの趣味を持ち、いずれの趣味も、そのめり込む深さと言ったらこれがまたすごいんです。

好きだと感じるものを、意思を持って「味わう」こと。

表面だけでなく、奥行きと深みまでしかと堪能すること。

限度知らずの探究心と怖いもの知らずの冒険心。

幾つものお顔を持つ、Hさん。

どのお顔も正真正銘のHさん。

 

<時計のコレクター、Hさん。>

その歴、なんと20年越え。コレクション、御知識、もはや本職です。そしてなんと言っても、その情熱たるや。聞くものを魅了する、素晴らしい輝きをもってお語りになります。

<ダイバー、Hさん。>

こちらも圧巻の歴、25年越え。パラオやモルジブの海も潜り、今は毎年のように沖縄の石垣島でダイビング。ところが一言でダイビングとは言っても、オーシャン感からほど遠い、ひたすら海底を這いずって鑑賞する「ウミウシ」の世界にどっぷりハマり、「ウミウシ」写真をコレクション中。

<元、アマチュア四輪競技選手?! Hさん。>

JAFライセンス元保持者。表彰台経験あり。その後、単車のオフロードレーサーに転身!Hさん。こちらはとっくに引退されていますが、「僕は骨折したことが無いのが自慢です」とのこと。

そして新たに、

<コーヒー焙煎人ともなりました、Hさん。>

昨年の3月からコーヒー豆を炒り始め、夫婦で仲良く不良豆を弾き、日々焙煎。今や、朝の淹れたて自家焙煎コーヒーをマイポットで携帯し、「次はドラム式に移行しようかな」と、軽快な様子で検討中。

そんな、人生を思いっきり生きているHさんが、ペコラ銀座での仕立て体験を語ってくださいました♪

 

スーツに対する想いなど、お聞かせください。

「もっと早く作れば良かったな」と思います。

 

それはビスポークをですか?

はい。

(補足:Hさんの初めてのビスポーク体験はペコラ銀座ではありません。)

もともと例えばチェスターバリーのフルハンドの既製服を、それなりに直してもらえるので、結構体に合うと自分で思っていたんですが、「そんなに既成って合っていなかったんだな。」という事に、ビスポークしてみて初めて気づいたんです。

僕は標準体型だと思っていたし、既成が標準体型に合っていると言う概念があったから。

でもそれは、「合っているじゃないかと、勝手に思っていただけだったんだな。」というところに気がついたんです。

例えば、ぼく、腕が細いんですけど、アームホールを小さく作ってもらうと全然動きやすいじゃないですか。

「全然違うんだな」と思いました。

服飾はもともと興味があったので、中野香織さん 出石尚三さんとか、スーツ系の本を結構読んで、分かった気にはなっていたんですけど、

「ちゃんと作らないと、やっぱり分からないんだな。」と、実際に作ってみてから思いましたね。

 

どのようにしてペコラ銀座をお知りになりましたか?また、初めてのご来店に至るきっかけは?

ペコラ銀座は有名なので、着道楽の人は絶対知っていると思いますね。でも足を踏み入れたら40万50万の世界だなと言うのはやっぱりあって。

実際に初めて来たいなと思ったのは、STANDARD LINEのキャンペーンを知って「これだったらつくれるかもしれない。」と、思いました。

 

なぜ、そもそもペコラ銀座で仕立てたいと思われましたか?

もうちょっとランクの低いスーツは2着くらい作ったことはあるんです。それで、もうちょっと良いの行こうかなと思って、色々調べたり物色していたんです。そのうちに、ブログのキャンペーンの告知にぶつかりました。

他にも、行こうかと検討していたところもありましたが、BLOGをみて、これは昔から憧れだったペコラに行くしかないなと。

 

ずっと憧れはあったけれど、ペコラ銀座で実際に仕立てるまでに至らなかったのは、お値段とか、そういうところですか?

んん。と言うよりは、「なんとなくこれで良いんだと思っていた」と言う部分の方が強いです。

「更なる世界」みたいなものを知らない人はそのままなんですけど、

今回ペコラ銀座でオーダーしたのは、「もうちょっと上を目指そう」と、そう思ったからなんじゃないかなと思います。

 

もうちょっと上をと思ったきっかけはどういったものですか?

そうですね。去年だから、50なるならないと言う時期で。あとスーツを着られるのも、定年退職まで10年くらいしか着れないなと。

そう思うとやっぱり、身体に合った、自ら満足するようなものを着て、仕事をしたいなと思ったんですよね。

 

オーダーする前のペコラ銀座のイメージは?

評判が良い。

評判の良さと、それと引き換えに、敷居の高さというか。

 

初めてのオーダーを経験した後のペコラ銀座の印象は?

初めて入った時も、意外と、フレンドリーとまではいかないけれど、すごくお店の雰囲気に合った気持ちの良い接客をしてくださるなと思って。そこは良いなと思いました。

常連さんが居つくのが、分かる気持ち。

 

それは、店主の人柄というところでしょうか?

佐藤さんのお人柄だと思いますね、非常に。

服飾の方って、なんだか神格化されちゃった人みたいな、とっつきづらいとかなんか色々あるじゃないですか。

なんか、そういう人の中の一人だと捉えられちゃうと損だなと思って。

ものすごくフレンドリーというか、優しくお話ししてくれるし、そういうキャラクターだっていうことってなかなか伝わりにくいですよね。

 

当店は、初めての来店のハードルが高いと言われる事が度々ありますが、そのあたりはいかがでしょうか?

ビルのあの空間まで来て、「やっぱりちょっと違うなって」なかなか帰れないですもんね 笑

でも、僕は時間まで予約していて、その時点で完全に決心をしていましたので。

 

2018年に続いて、2019年もお仕立てくださいましたね。

はい。「もう行くしかない」と思っていましたし、友人を紹介して、券もいただいたので。

(補足:2018年、ペコラ銀座ではお友達紹介キャンペーンを開催しておりました。)

その券が無くても、来てたと思いますけどね。

 

お気持ちとしては年に1着?

そうですね。

せっかく20年も30年も着れるようなものを作っていただいているのに、もったいないですから、着る機会が少ないと。

だからまあ、年に1着と。早い方が良いなと思いましたね。

 

仕立て上がったスーツに袖を通した時の感想を一言で言うと?2018年、2019年とそれぞれお願いします。

 

2018年の一言
「おおおぉぉ」

ですね。

 

2019年の一言。

もう衝撃はすでに味わっていたので、

「これだよ、これ」

と言う感想ですね。

 

綺麗ですよね。見た目。綺麗です。どこにも何も、変なところがない。

極論すれば、身体に合っていれば、デザインとかどうでも良いんだなと。3ボタン2ボタン、なんてどうでもよくてボタンなんてウェストの位置で1つ止まっていればよくて。

なんか、こう、デザインとかではない、「ピュアなもの」を感じましたね。

最初から、すごく重たいものを作っていただいたんですが、着ていて全然重さを感じませんし。

仮縫いもなしで、一発でここまできちゃうって言うのは、びっくりしましたね

(補足:Hさんにご注文頂いた2018年当時スタンダードラインには仮縫いが付いてませんでした。※現在は仮縫い付きです※)

本当に「えーーー」って思いました、本当に。

 

結構明確にリクエストをいただいたご注文でしたが、ご満足いただけましたか?

もちろん、満足でした。完璧だと思いました。

家に帰ってびっくりしたのがパンツの裾がモーニングカットのダブル仕様になっていたこと。

ウェブや一般的な知見では、あんなものはもはや失われた技術で、あんなものが出来る技術を持っている人はほとんどいない、みたいな。そんな情報が結構まかり通っている世界で。

それが、頼んでもいないのに、モーニングカットのダブルになっていることに心底驚いて。笑。なんだこれーと思って。すげーーーと思って、笑。

 

その後いかがですか?

週1くらいで着ています。それぞれのスーツを着ています。

 

じゃあ週に2回はペコラ銀座のスーツですね。周りの反応などはいかがですか?

そうですね。周りに着道楽がいないので、自己満足しているだけですけど、洗面所などで鏡を見るたびに「ああすげー、(スーツは)格好いいな」と。

ちゃんとコーディネートも考えないといけないなと思いますし、明日何着ようかなと思ったときは、天気予報を見て晴れそうだったらペコラのスーツを着ようかなと言う感じで、革ものの色を決め、シャツとタイを決めます。

それで起きてみて天気が変わっていると、朝いきなりバタバタしだすと言う 笑

 

これからペコラ銀座に来ようと思う方へのアドバイスをお願いします。

「とにかく早く作ったほうがいい」

「悩んでるんだったら早く!」ですね。これに尽きます。

今後の人生に対して、これがどれくらい価値のあることか。

回り道せずに最高のものの一つを若くして体験しておくと、自分なりの価値観、基準が構築されて、これが今後の人生にいい影響を与えると思う。

若人ほど背伸びしてペコラで作った方が良い。

早く作れば作るほど、とんでもない着道楽のモンスターができちゃうかもしれませんけど絶対に、早く作った方が良いと思いますね。はい。

 

お値段についてはいかがですか?

「絶対に安いと思います」

スタンダードラインしか作ってないですけどスタンダードは絶対に安いと思います。

それからオプションでバンバン上がっていくとか、そう言うのが一切ないのが、ものすごくわかりやすくて良いと思います。

 

・・・

実は、Hさん。今回のインタビューを受けてくださるにあたり、事前に自らのペコラ銀座やビスポークに対する想いや考えを「メモ」にまとめて来てくださっておりました。

そちらの、ありがたく素晴らしい「メモ」と、Hさんとの対面インタビューをもってこの度の記事を書かせていただきました。

Hさんのご趣味の話、スーツの話、どれを取っても見られる、「常に上を目指していく姿勢。」

常に常に、「更なる世界」を求めていながらも、それがごく自然体で、あまりにも「当然の姿」としてその人となりが滲み出るHさん。

人生を愉しみ、自らの意思で「進み続ける」強烈で純真なエネルギーをお持ちのとっても素敵なお方。

インタビューをしているこちらが元気と勇気を頂いてしまいました。

 

最後に、

Hさんより頂いたメモより、以下のお言葉を拝借し、HさんのMy Storyを締めくくらせていただきます。

 

私が考えるペコラ銀座の価値とは

「佐藤さんの採寸はまるで魔法。これを体験する事」

By Hさん

 

・・・

 

Hさん、この度はご協力を頂き、本当にありがとうございました。Hさんの今後のますますのご活躍とご発展を願い、心より応援しております。

時計のお話、コーヒーのお話、ダイビングのお話、そして新たなご趣味のお話を、是非また聞かせにいらっしてくださいね。

また、スーツのご相談、メンテナンスなど、「スーツとのお付き合い」に今後とも寄り添い、ペコラ銀座は末長くお供をさせて頂きます。


今後もお客様の素敵なMy Storyをご紹介して参りたいと思います。

どうぞ宜しくお願いいたします。

みんなそれぞれMy Story【1】「好きなんですよね、手づくりが」

こんにちは。黒田です。

懸賞応募は締め切りを迎え、

ドキドキの抽選に向け準備をすすめております。

・・・

さて、お久しぶりのBlogとなりました♪ 新仕様となったBlogにさっそく、ペコラ銀座の新企画を宿したいと思います。

題して

お洋服も人生も十人十色
〜みんなそれぞれMy Story〜

人は皆それぞれの生き方があり、

十人いれば十通りの、美しい色を持つ。

私たちの日常は、

十人十色の想いが、

地球上のあちらこちらで重なり合って出来ている。

十人十色こそが美しく、

それはそれは尊く、

この世の何にもかえがたい、

宇宙の宝物。

十人十色いらっしゃるお客様に、

十人十色、それぞれお洋服をお仕立てすること。

それが、私たちペコラ銀座の日々です。

そんなペコラ銀座の日常の一風景を、

一人のお客様を通してご紹介いたします

本企画。

今回ご協力くださったのはAさん(40代男性、公務員)

2019年夏のSTANDARD LINEサマーフェアで、ネイビー無地の(DRAPERSデッドストック生地)3ピースをお仕立て下さいました。今回が初来店のAさん。そんな彼のお洋服にまつわるMy Storyとは♪

・・・

「好きなんですよね、手づくりが」

2019年、夏の終わり頃に初めてご来店くださった、いつも微笑んでいる柔らい笑顔が印象的なAさん。趣味の合う、義理のお母様とご一緒の初来店でした。

柔和な印象とは裏腹に、好きな事や気になる事はとことん調べ尽くし、その流れで今回、ペコラ銀座の仕立てに興味を持ってくださったそうな。

貯蓄が趣味で、とっても堅実なAさん。

休みが取れたらば、奥さんと湯治場に行き、自炊をしながら自然と温泉を愉しむ。そして湯治場の猫「ごまさく」を可愛がる。気さくで暖かいお方。

インタビュー当日は「今日は写真も撮るのかと思って、バッチリスーツを着てきたんですけど♪」と、いつものふんわりとした雰囲気で登場し、温厚な口調で丁寧に誠実な想いを語ってくださいました。

 

ペコラ銀座でオーダーをしていただいたきっかけなどはありますか?

きっかけ。

手作りのものがすごく好きなんですよ。その人のために、その人に合うように作ったものが。

ブランドとかは全然興味なくて。例えば、手編みのものとか、体に合ったような、人が手で作ってくれたようなものが好きで。

それで、そういう気持ちの「最初」はどこなのかなって考えてみたら、

昔、僕の兄が父にロレックスをプレゼントしたんですよね、確か初任給か最初のボーナスで。

その時、僕は初めて機械式の時計を見たんですけど、その細かい手仕事に「すごいな~」と思ったのが、きっと始まりなのかなと思っています。

車とかは好きにならなかったのに、時計すごい好きになっちゃって。

それから、筆記用具とか、万年筆とか、まずは「持つもの」から好きになって。

そうして良い時計をしていると、今度は良いお洋服っていう風になって。

でも最初はスーツの「良いもの」っていうのが良く分からなかったんですよ。

知識がなくて。

デザイナーズブランドの高級なスーツが「良いもの」なのかなと思っていた時もあったんです。

分からなくて。

でも調べているうちに、オーダーのスーツっていうものがあって、身体に合うように職人さんが手で作っているっていうのを知って、

「いやぁこれはいいな~。これは欲しいな。」と、そう思いました。

色々まだ分からなかった頃にイージーオーダーを作ったことがあるんですけど、出来上がりはそんなに格好良くなかったんです。

それで、イージーオーダーを買った後に、さらにたくさん色々調べたんです。

それで調べていくうちにイージーオーダーの事も分かってきて、まあ、最初は良いと思って買ったんだけども。値段的にも、まあそうだなと納得もしたんですが。

でも、ちゃんとした「良いもの」を作りたいと思って。

それでペコラ銀座でオーダーをすることにしました。

 
初めてのオーダー前のペコラ銀座のイメージはどんなものでしたか?

やっぱり、「入りづらい」「電話しづらい」ですね。

買うって決めないと電話できない。それでも、頑張って、自分は電話して見たんですけどね。

きっかけとなったのはやっぱりセールですかね。まあ、電話した時にはもう作ることはもう決めてたんですが。

セール終わってからの方が、落ち着いてゆっくり決められるのかな?とも考えながら。でも一応セールのことも聞こうと思って電話しました。

自分のイメージなんですけど、「セール」って聞くと、「どうせ売れ残りの」「ストライプとか、もう着れないような」そんな生地ばかりなのかなと思っていたんですよね。

でも実際はすごい沢山の良い生地があったので、すごくびっくりしました。

電話した当初は、早めに行かないと良い生地はなくなっちゃうと思っていたんです。それで電話で、紺の無地で考えてる事とかいろいろ説明したら、「あ、たくさんありますよ」と言われて、「ええ?じゃ、じゃあ行きます」という感じでした 笑

そうしていざ行ってみたら、実際に「これ、全部良いんだよ」って聞いて、「え?嘘でしょ?笑」って、驚きました。

まぁでも、電話はしづらいですね。特に初めてだと。

電話しても、何聞いて良いかわかんないっていうか。

 
オーダー後、ペコラ銀座の印象は変わりましたか?

どうだろう。でも用がないと行けないかな。

用があるなら、全然入れる。今は。

入るとしたら、何か買いに行くとか、まだ必要ないけれどお直しとか。まあ、用があれば入れる。オーダー後は。そうですね。

最初の電話が、ハードルがあったくらいで、あとは無いのかな。と思います。

 
生地の提案や仮縫いの時のコミュニケーションなどはご満足いただけましたか?

生地は、もう決めていたんですよ。

普段から着る、バリバリ着る。だから、しっかりした生地を、って。

本当に高級なテロテロの生地じゃなくて、までも、結局これすごい高級に見えるんですけどね。(仕立て上がったスーツを指しながら語るAさん)

しっかりした生地でシワにならない、ハード要素に耐えられる、仕事でも目立たなくて、地味目なもの。

そんな生地を求めていることは伝えて、あとは選んでもらおうと思っていたんです。

仮縫いの時のコミュニケーションに関しては、僕自身は、「あーしてほしい、こーしてほしい」は、今回はなかったです。

やってもらうんだから、という気持ちがあったので、「良いように」してもらおうと思っていたんです。

特に要望はなかったです。逆に教えてもらいたいくらい。そんな気持ちでした。

 

出来上がったスーツはいかがですか?

出来上がりに不満は全く無いですね。

ボタンも意外といいですね。ナットボタンは初めてなんです。でも、すごく合っていて良いですね。

僕の奥さんも、全然興味とか無いんですけど、やっぱりこれを着ているときは、

「あ、今日は良い方のスーツを着てるんだね」と、シルエットを見て言ってくれます。

あと、ちょっと恥ずかしいんですけど。自意識過剰なのかな、って恥ずかしいんですけど。このスーツ着てると、電車とかでも、すごい見られるんですよね。

すごい見られている気がするんですよ。

普段着を着てる時よりも、見られていることが多いように思います。

 
仕立て上がったスーツに初めて袖を通した時の感想を「一言」で言うと?

「イケてる。」

俺、イケてるのかなって。

初めて袖を通した時、鏡見たときに「格好いいな」って思いました。

やっぱりモテたいとか、そういう気持ちとか。何も考えてなかったら、格好つける必要もないというか。やっぱりかっこつけてないとですね。

「格好いい」って思いました。

 

スーツを着る時の想いなど、ありますか?

想い。

「あの人格好いいな~って」見られたい。笑

あと、どうだろうな。スーツ着ると姿勢がよくなる。

実際に気をつけてます。良い姿勢をしなくちゃなって。

それと、愛着がありますね。ちょっとしたシワとか、毛玉にならないようにとか。ケアしていきたいです。

フルハンドは興味ありますよね。奥さんに怒られちゃうかもしれないけれど。笑

次、どうしようか。すごく悩んでます。

フルハンドにするか。またスタンダードラインで2着か。コートも良いなとか。次は靴かなとか。

順番、どうすれば良いんですかね。笑

 
スーツ以外にも、こだわりや、趣味はありますか?

今やっていることは、体型維持するためにジョギングしたり筋トレしたり。

あとは奥さんが最近ワインにはまりだして、僕も一緒に、一から、基本のキから勉強してます。最近ワインばっかり呑んでますね。

それからお金貯めなきゃな~。とか。お金貯めるの好きなんですよ。

貯蓄とか、保険とか。すごい詳しくて、みんなに教えてあげてます。株の事とかも。株はロボットだったらできるけど、心のある人間には難しいって思う。

温泉もよく行きますね。旅館とかじゃなくて自炊ができる、湯治がすごい好きで一年に何回も行きます。あるのは部屋と、温泉だけ。あとは共同の炊事場。

休みがあれば行っちゃう。6日分の食料とか持って。ご飯作って。ずっとこもったりしています。

猫も好きなんですよね。飼ってはいないんですが。

 

ペコラ銀座のスーツの価格については、どう思われますか?

値段が妥当かどうかという判断は、僕には正直分かりません。

結局のところ、職人さんがいて、それぞれの取り分があって、というところじゃないですか。

そこら辺のことは、僕にはちょっと分からないので。どうなんだろう、でも。

他の店と比べてら、安いですよね。そうですね。でも、妥当かどうか、は分かりません。あまり考えたことはなかったですから。

でもやっぱり、きちんと、やっていける値段でとってほしいなと思います。

無理に安くして、職人さんの手当てを減らさないとやっていけないとかなっちゃうようだと、「それは、もうちょっと払いますよ」という気持ちになりますね。

んん、まあでも継続的に買うとなると、やっぱりちょっと高いかな。

月に1万貯金するとしたら、2年に1着、月2万の貯金だと、1年に1着。そうなっちゃいますよね。

までも、贅沢品ですから。

贅沢品ですよね。

贅沢品だから、しょうがないですよ。

「欲しいもの」のために、頑張って貯めます。車買うよりは全然安いですからね。

 

最後に、これからペコラ銀座で仕立てることを考えてる方に向けてメッセージをお願いします。

分け隔てなく、とても丁寧に、自分に対してお話ししてくれて、対応してくれて、良かったです。

とても真面目に仕事をしている店ですね。

 

・・・

 

この度、ペコラ銀座の新しい企画にご賛同くださり、快くインタビュー「お一人目」を担って下さいましたA様。

A様の堅実で誠実なご意見を真摯に受け止め今後もお客様にご満足いただけるようペコラ銀座一同、成長して参りたいと思います。

この度はご協力頂き誠にありがとうございました。

 


ペコラ銀座Blogの新しい企画となります、〜みんなそれぞれMy Story〜。お楽しみいただけましたでしょうか。今後もペコラ銀座でお仕立てくださるお客様の素敵なMy Storyを、ご紹介させていただければと思っております。

どうぞ宜しくお願いいたします。