ミラクル。

こんにちは。黒田です。
 
 
 
 
 
 
 
本日は、ミラクル。
 
 
 
 
 
 
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こちら、
 
およそ40年前に織られた、
イギリスのWAINSHIELL社の生地。
 
TERYLENE55%、WOOL45%
化繊ブレンドです。
 
 
 
 
 
生地のセルベッジをよく見て見ると


MIRACLE

 

ミラクル。
 
 
 
 
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昔は「夢の素材」と呼ばれていた
テリレン。
 
 
丈夫で、薄くて
シルクのように柔らかく
 
肌触りが良くて
ものすごく軽い
 
そんなテリレンのブレンドを、
当時の生地屋さんは賞賛した。
 
 
 
そんな時代に織られたこの生地は、
 
ミラクル
 
と名付けられたのです。
 
 
 
 
 
 
ところが。
 
時を経て、
時代は変わり、
 
「やっぱり自然素材の方が良いよね」
 
と言う考えが再び広まり、
 
 
今では織られる種類がものすごく減りました。
 
 
 
一時はその万能性が夢のようだと、
ミラクルと称されたものも、
 
時代の流れで覆るものです。
 
 
 
 
 
生地から垣間見える
 
その時々の時代
その時々の人々
その時々の想い
 
 
振り返ると見えてくるものも、
現在の真っ只中にいると見えないもの。
 
 
現在という瞬間も、
流れてすぐに過去となる。
 
そんな中で、
良しも、悪しも、
どの時点で確定するのか。
 
そのような確定はし得るのか。
 
 
 
 
 
 
 
 
ペコラ銀座では、かのミラクルを、
店主の「良いと感じるバランス」で
取り入れております。
 
 
 
「今のところ一番万能なのはウールだね」
 
吸湿性、耐久性
温度調節も出来る
 
「やっぱりウールは素晴らしい」
 
と、店主、佐藤英明は言います。
 
 
「でも化繊ブレンドも良いものはある」
「全ての洋服を化繊ブレンドで、とは全く思わないけれど」
 
雨の日とか、
真夏の暑い日とか、
 
「実用性を考えて、1着あれば便利だと思う」
 
 
 
そう語る店主、佐藤英明は、
 
良質なビンテージの化繊ブレンドを
見つけるとその都度買い貯めており、
 
ペコラ銀座の豊富な生地セレクションには、
最高級の天然素材の服地はもちろんのこと、
厳選した高級化繊ブレンドも取り揃えております。
 
 
 
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40年前の生地屋さんは、
「より良いもの」への挑戦をし、
自らの意思と行動で「ミラクル」を生み出した。
 
 
時代の変化で、価値観が変われど、
当時は確かに「ミラクル」だった。
 
 
人の意思と行動。
その意思に「より良く」が宿ると、
それがきっと時代ごとの「ミラクル」を生む。
 
 
意思を持って新しく生まれたミラクルは、
時を経て、時代遅れなものになったとしても
 
バランスを変えて、その良さが後世に伝わるもの。
 
そうして元来あるものの良さに立ち返るきっかけ
という「ミラクル」も生み出してくれる。
 
 
 
 
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「まぁでも、羊ちゃんは偉いよ。しかも剃ってから毛がまた生えてくる」
By Hideaki Sato